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鎌倉時代こぼれ話
「徒然草」のみそ  
平宣時はある夜、最明寺入道(鎌倉幕府五代執権・北条時頼)から呼び出されます。なにごとかと思ってかけつけると、「一人で酒を飲むのがつまらなくて呼び出したのだが、肴がない。探してみてくれないか」というのです。宣時が台所の棚の小さな土器に、みそが少しだけこびりついているのを、やっと見つけて持っていくと、「それだ結構」と満足し、二人で気持ちよく酒を酌み交わしました。
「徒然草」(1331年頃)にのっているこの逸話は、倹約の見本として明治時代の修身の教科書に採用されました。
 
  日本人の食生活に革命を起こしたみそ汁の登場

みそ汁がつくられ始めたことは、みその歴史の中で、もっとも重要な 出来事の −つです。 この時代、禅宗の寺では、中国からやってきた僧の影響ですり鉢が使われるように なりました。そして、「粒みそ」をすりつぶした「すりみそ」が造られたのです。 すりみそは、水に溶けやすく、みそ汁として利用されるようになりました。 みそ汁の登場で「一汁一菜」という鎌倉武士の食事の基本が確立し、明治、大正に いたるまで長く受け継がれていくことになるのです。しかも、主食や“一菜”の 中身はいろいろ変化しましたが、“一汁”は常にみそ汁でした。 いまでこそ「−汁一菜」は粗食の代名詞のようにいわれますが、武家や僧侶は 当時の特権階級で、みそ汁が一般に普及するのは、室町時代になってからのことです。