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江戸時代こぼれ話
徳川家康のみそ汁  
家康は「五莱三根」のみそ 汁を食べていたといわれます。葉莱が5種、根莱が3 種類 も入ったみそ汁は、現代栄養学からみても百点満点。みその栄養価、がん予防効果 、 血圧抑制作用、老化予防効果などなど、家康にそんな知識があったはずはありません。 しかし、平均寿命が37、8歳の時代に75歳の長寿をまっとうしたことと「五菜三根」の みそ汁とが無関係とは思えません。  
  みそは医者いらず
みそ汁が庶民の味となって盛んに飲まれた江戸時代。当時の代表的な食の解説書 である『本朝食香鑑』の「味噌」の項に、次のようなことが書かれています。 「腹中をくつろげ、血を活かし、百薬の毒を排出する。胃に入って、消化を助け、 元気を運び、血の巡りを良くする。痛みを鎮めて、よく食欲をひきだしてくれる。 嘔吐をおさえ、腹下しを止める。また髪を黒くし、皮膚を潤す」と。 これは、もうまさに超万能薬! また、「味噌の三礎」という諺もあり、みそには味の素、命の素、美の素が含まれて いるという意味で、こんなすごい効用のある食品は、他にはみあたりません。   みそ汁一杯三里の力   みそ汁は朝の毒消し   みそ汁は医者殺し   みそ汁は不老長寿の薬   みそ汁はだばこのずをおろす(ず=毒、害)   みそで飲む一杯、酒に毒はなし こんなことから「みそは医者要らず」といわれたのでしょう。 庶民が暮らしの中で感覚的にとらえてきたことを、現代の科学が−つずつ解き明かし、 先人の知恵とみその効能のすばらしさが知らされつつあります。
江戸の庶民はみそを買いに走り、みその文化が花開く。  
江戸の庶民はみそを買いに走り、みその文化が花聞く。 この時代になると、みそは現在とあまり変わらないぐらい、なくてはならない食品に なっています。 元禄期の江戸は人口が50万に達しました。江戸の生産だけではみその需要を到底 まかないきれず、三河の三州みそや仙台みそが海路どんどん江戸に運ばれ、みそ屋は 大繁盛するのです。 また、それにつれて、みそ汁の具にする野菜売りも盛んに行われ、町中が野菜畑に なったようだともいわれました。ただし、「みそ買う家に蔵は建たぬ」という ことわざがあるように、武士、農民、大商人は自家醸造がはとんどでした。 みその販売はもっぱら庶民を対象としたのです。 みそを題材にした落語やJll柳がたくさんつくられたことでも、みそがいかに庶民の 生活に浸透していたかがわかります。 しかし一方では、高級料亭の開業も相次ぎ、すぐれた料理書もたくさん刊行されて、 みそ料理はますます洗練されていくのです。